長期優良住宅を建てるメリット・デメリットを紹介
長期優良住宅という名前を耳にしたことがありませんか。長期優良住宅とは、長く住み続けられる住まいとしての条件を満たし、国から認定を受けた住宅のことです。本記事では、長期優良住宅の認定を受けるための条件や、建てるメリット、デメリットを詳しく解説します。注文住宅の購入を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
もくじ
長期優良住宅の認定を受けるための条件
長期優良住宅の認定を受けるためには、厳格な基準が設けられています。その条件を、順番に見ていきましょう。
居住環境
まず、居住環境の面では、地域の景観や計画に配慮し、景観や地域の調和を図ることが求められます。例えば、景観の調和がとれない派手なデザインだと、長期優良住宅の認定が降りにくいです。
住戸面積
住戸面積については、戸建て住宅は一定以上の広さが必要であり、最低でも1階の床面積が40平方メートル以上であることが条件とされています。
省エネルギー性能
省エネルギー性能も重要な基準の一つです。断熱性能などを高め、冷暖房の負荷を軽減するために、特定の性能等級を満たす必要があります。具体的には、断熱性能等級「等級5」かつ一次エネルギー消費量等級「等級6」を達成する必要があります。
劣化対策・耐震性
また、劣化対策や耐震性も大切です。劣化対策等級「等級3」に適合し、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造に応じた基準をクリアする必要があります。耐震性についても、極めて稀な地震に対して住宅が損傷しにくい構造である必要があります。
維持管理・更新のしやすさ
さらに、維持管理や更新のしやすさも重要な要素です。特に、耐用年数が短い配管設備などについては、定期的な点検やメンテナンスが容易に行えるように対策を講じる必要があります。維持保全計画も策定し、住宅の構造的な耐久性や設備の機能性を維持するための計画を立てることが求められます。
災害配慮
さらに、災害への配慮も重視されます。災害が発生する可能性のある地域では、地域の危険性に応じた対策を行うことが要求され、行政の指導に従う必要があります。
長期優良住宅を建てるメリット
長期優良住宅を建てることで、多くのメリットが得られます。ひとつずつ見ていきましょう。
安全で快適な生活を送れる
まず第一に、長期優良住宅は長期にわたって安全で快適な生活環境を提供します。劣化対策や災害対策が徹底されており、高い耐震性能や省エネルギー性能があります。これにより、住宅の資産価値も長期間にわたって安定し、売却時にも他の住宅に比べて高値で取引されやすいです。
税制面で有利
税制面でも、長期優良住宅には特例措置があります。例えば、住宅ローン減税では控除対象額が引き上げられます。控除率も0.7%となり、最大で控除額455万円が適用されるのです。また、投資型減税では性能強化費用の一部を所得税から控除できます。
住宅ローン金利を引き下げられる
住宅ローン金利についても、長期優良住宅の取得に際しては特例があります。例えば、フラット35Sやフラット50では、金利が通常よりも引き下げられる特典があり、初期の数年間は年0.75%引き下げられることが一般的です。このような特例は、住宅の購入や維持にかかる費用を抑えることができるため、大きな経済的利益をもたらします。
地震保険料が安くなる
さらに、耐震性能が高い場合には地震保険料の割り引きを受けることができます。耐震等級に応じて地震保険料が割引きされるほか、免震建築物であればさらに割引きが適用可能です。これにより、災害に対する経済的なリスクも軽減されます。
地域型住宅グリーン化事業の補助金を利用できる
最後に、地域型住宅グリーン化事業の補助金も利用できる可能性があります。この補助金は、地域の中小工務店などが整備する木造の長期優良住宅の建設を支援するものです。住宅1戸あたり、最大140万円の補助が受けられます。
長期優良住宅を建てるデメリット
長期優良住宅の購入には、考慮すべきデメリットも存在します。
時間や手数料がかかる
まず第一に、長期優良住宅の認定を受けるためには時間と手数料がかかることが挙げられます。申請は着工前に行われる必要があり、行政手続きのために時間がかかるばかりでなく、申請先によっては手数料も発生します。
建設費用が高くなる
さらに、建設費用が高くなる傾向があります。長期優良住宅の認定を受けるには、高い耐震性能や省エネルギー性能を確保するために特定の設計や材料が必要です。これにより、一般の住宅よりも建設費が増加することがあります。
定期健・メンテナンスが必須
また、入居後も定期点検やメンテナンスが必要です。長期優良住宅は耐久性や品質を維持するために、維持保全計画に基づいた定期点検やメンテナンスが義務付けられています。これには長期的な計画と費用が必要であり、定期点検の期間や頻度も法律で定められています。また、維持保全を怠ると認定の取り消しや補助金の返還を求められる可能性もあります。
まとめ
長期優良住宅は、安全性と快適性を重視した賢い選択肢です。耐震性能や省エネルギー性能が高く、税制面でも優遇される点が魅力です。さらに、地震保険料の割引や補助金利用の可能性もあり、経済的にもメリットが大きいです。ただし、認定取得の手続きや建設費用の増加、入居後の定期点検・メンテナンスの必要性を考慮する必要があります。総じて、将来を見据えた持続可能な住まいとして、投資価値が高いと言えるでしょう。